愚かの頂で、骨になるまで

本と、マンガと、ボードゲームが心の主食

【レビュー】さるやま

これが一つの、ボードゲームの究極系だと思う。

 

http://oinkgms.com/?gclid=CP-54eCk4LMCFUQipQodKzcA8A

ライナー・クニツィアの「ペンギンパーティ」というゲームをオインク・ゲームスがリメイク。

ゲームシステムこそリメイクであれ、デザイン性の高いビジュアルとゲーム趣旨に沿ったアフォーダンスに満ちた形を得て初めて完成したと言える。

 

ルールは簡単。

六角形をした 5色の「さる」のカードをみんなに配る。

カードは一人ずつ、横か上に一枚ずつ出していく。

横に置く場合、最下列には8枚までしか置けない。

上に置く場合、下に並んだ二つのカードの間に、下いずれかの色を持ったものしか置けない。

上に重ねれば重ねるほど、置ける場所は少なくなっていくため、だんだん置けないカードが出てくる。

置けなくなったプレイヤーはその時点で手札のカード枚数だけマイナス点。

誰も置けなくなるか、最後まで出し切ったら、その時点でゲーム終了。

プレイヤーの数だけゲームを繰り返す。

 

誰でも説明を受ければすぐに分かるルール。

これ重要。

それでいながら、「いつ」「どのカード」を出すのかで駆け引きも楽しめる。

「シンプルながら奥が深い」、これが一つの究極系だと思う理由の第一である。

 

次に、さすがオインクゲームスのプロダクト、見た目が非常によい。

箱、カード、チップそのすべてのデザインが洗練されている。

最近非常に思うのは、ボードゲームにとってビジュアルは重要な要素だ、ということ。

残念ながらダサかったり、グロかったり、いまいち好みの絵じゃなかったりすると、やっぱり「やってみようかな」という気にならないものだと思う。

「ビジュアルがよい」、これが一つの究極系だと思う理由の第二である。

 

最後、箱が小さいこと。

最近はどこかに行く時、必ず鞄に潜ませるようにしている。

どこに行った時でも、テーブルさえあればパッとできる。

ボードゲームをそれほどやったこと無い友人にやってもらうには、良い機会を提供できる。

「ポータブル性に優れる」、これが一つの究極系だと思う理由の第三である。

 

敢えて、「もっとこうであればなぁ」を言うのであれば、下記の2点。

(ちなみに、レベルEのカラーレンジャーに出てくる言葉『・ゲームにはまる兆候 結構楽しそうにゲームのシステムに着いて不満を漏らす キーワード「〜さえ何とかなればなぁ」』、という富樫の意見には大賛成)

 

1. カードがもう少し厚ければいいな

  ぺらっぺらなので少し不安感がある。もう少し厚い素材となるとベスト。

2. もう少し懐に優しければいいな

  初心者に是非やってもらいたいゲームの割に、¥2300 はちと高い

 

ちなみに、ボドゲ仲間でやって楽しかった遊び方はチーム戦。

2人 3チームに分かれて さるやま をやってみると、個人戦とはまた違った風景が見える。

チームメイトの手札に多い色を予測し、サポートをしてあげるように動く。

そうしているつもりが、チームメイトの一手で自分がもう出せなくなってしまったりする。

 

まだあまりボードゲームをやっていない方はこのゲームから、既にボードゲームにどっぷり浸かっている方は周囲への布教用にこのゲームをプレイしてみてはいかがだろうか。