【レビュー】Xing
篠原遊戯重工さんがゲームマーケットで発表されていた宝石取り合いゲーム、「Xing」。
友人が購入していたため、仲間内でやってみた。
参加人数−1枚の中心に置かれたコースターに宝石が乗っている。
全員で欲しいコースターを指差し、誰ともかぶらなければ(バッティングしなければ)、それを自分のコースターに乗せることができる。
だが、この状態ではまだその宝石を獲得したことにはならない。
次のコースター指差しタイミングでプレイヤーは、宝石の乗っている他人のコースターを指差すことができる。
一人のみが、他人のコースターを指差せた場合そこに乗っている宝石をまるまる頂戴できるのである。
もちろん、獲得を確固たるものにするための方法はある。
コースター指差しタイミングで自分のコースターを手で覆うのである。
ただしこれをやってしまうとそのターンは宝石が獲得できないうえ、次のターンもお休みとなってしまう(自分のコースターを裏返し、黒い状態としておく)
一つの指差しターンがおわったら中心のコースターには宝石を追加する。
既に宝石が乗っているコースターには一つ、何も乗っていない(前のターンで獲得された)コースターには二つ宝石を乗せる。
供給する宝石がなくなるまでこれを繰り返すのである。
ゲーム終了時には自分のコースターにのった状態のままの宝石も得点に追加される。
宝石の色ごとに点数が決まっており、組み合わせによってボーナス点も入るようなルールとなっている。
ルールを簡単に述べたが、詳しくは下記のサイトを参考いただきたい。
ルールはシンプル(やっていることはコースターを指差すだけ)ながら、かなりの読み合いが行われる。
特に、大量の宝石を中心のコースターから自分のコースターに移せたあとは各プレイヤーの思考を読み合うのが非常に面白い。
例えばプレイヤーAが大量の宝石を自分のコースターに保持しているとしよう。
そこでプレイヤーBは考える。
Aはあれだけ大量の宝石は確固たるものにしたいはず→Aが手で伏せるなら、自分が指差すのは無駄足となる→Aは、みんながそう思っていると考え、更に宝石を獲得しにくる可能性がある→自分は、その裏をかいて指差してやろう
で、結局無駄足となる、と行った具合である。
また、組み合わせによるボーナスもあるため、単純に宝石の数が多いコースターが狙われる訳ではなく、あえて少ないところを取りにいくインセンティブが働きやすい。
その辺りの読み合いとバランスはかなりの完成度である。
また、コンポーネント自体もシンプルかつコンセプトに沿ってまとまっている。
宝石は決して値の張ったものではないだろうが、自分の手ものとに来た時の嬉しさを確実にもたらしてくれる。
キラキラしたコンポーネントに惹かれるボドゲ女子も多いのではないだろうか。
ゲームの完成度が高いだけに、もう少し遊んでいたいタイミングでゲームの終了が来てしまう。
ただ、コンポーネントは必ずしも同一の形状に縛られるものではなく、各自の工夫で拡張可能ではあるため、様々な遊び方を試してみたいと感じた。