盤上遊戯の推奨
今年一年ボードゲームにハマって、アグリコラやプエルトリコなど、
ワーカープレイスメントの重ゲーまで手を出した上で考えることがある。
今までボードゲームをやったこと無い人にボードゲームを勧めるときに何を選ぶべきなのか?
その場合もっとも達成しなければいけない目的は、「面白かった」「他のゲームもやってみたい」と思ってもらうことである。
これが難しい。
ボードゲームには「難しさ」とも言えるパラメータがあると考えている。
低めの難度を期待しているボードゲーム初心者に高い難度のゲームを当ててしまうと「やっぱりボードゲームって難しいんですね」となって、やらなくなってしまう。
一方、高めの難度を期待してきている人にとって低めの難度のゲームは肩すかしになってしまう。
そもそも、自分なりにボードゲームの難度を分類してみると下記の3通りとなる。
1. ボードゲーム初心者が楽しめる難度
2. ある程度デジタルゲームやTRPGに親和性のある人が楽しめる難度
3. ボードゲームを一定以上やっている人が楽しめる難度
自分なりの基準で振り分けてみるとこうなる。
1. 「ハゲタカのえじき」「ワードバスケット」「さるやま」「ぴっぐテン」etc..
2. 「人狼」「ドワーフの王様」「チケットトゥライド」「パンデミック」etc..
3. 「プエルトリコ」「ドミニオン」「アグリコラ」etc..
だったら「1.」をとりあえず当てておけば良いじゃないか、って話もあるだろう。
しかし、時間は有限で、できるゲームも有限で、ボードゲームとしての楽しみを多く持ったのは「2.」や「3.」だったりするわけで、悩んでしまうのである。
そこで自分がよく取ってしまう手は、上記の「1.」「2.」「3.」の様に「勝敗の結果を目的とするゲーム」ではなく、「そこまでの過程を目的とするゲーム」を初回のゲームにすることである。
具体的に言う。
「ピクショナリー」や「テレストレーション」、「忍者問答」(やったことないがおそらくディクシットも)などと言った、あーだこーだゲームをやっている過程自体が楽しめるゲームを選ぶのである。
絵を書く系のゲームが多いのは「誰かが描いた絵が他の誰かに伝わらないこと」の滑稽さがあまりに汎用的だからだろう。
そのゲームから「一定のルールのもとに大人数とわいわいやること」の面白さを楽しんでもらい、「他のゲームもやってみたい」と思ってもらう。
これが目的である。
何度かこれには成功しているのだが、ここから抽出できる仮説は非常に面白く、「ボードゲームをやることの面白さはボードゲーム自体ではないのではないか」と問える。
更に言えば「誰か他の人とボードゲームをやるからこそ楽しいのであり、思考の読める自分のクローン数人とボードゲームをやったとしても楽しくないのではないか」ということである。
「誰とやるのか」の楽しさをまずは楽しんでもらい、「何をやるのか」の楽しさを広げていく。
それがボードゲーム初心者に楽しんでもらうための秘訣なのではないかな、と最近考えている。