愚かの頂で、骨になるまで

本と、マンガと、ボードゲームが心の主食

【レビュー】成敗

2012秋のゲームマーケット注目の一作、カナイ製作所の新作「成敗」。

 

 

世間を脅かす悪人をのさばらすわけにはいかない、と成敗人が立ち上がる。

しかし、様々な能力を持った成敗人に対し、悪人も能力や取り巻きをたくさん抱え、対抗してくる。

一人だけの能力では彼ら悪人を成敗できない。

彼らの情報を巧く探り出し、時には助力をしあい、悪人を成敗するのだ!

 

と、言う訳でカナイ製作所さんの新作「成敗」。

TRPGが如く、プレイヤーは一人の成敗人に身をやつし、悪人を成敗することになる。

「支度カード」と呼ばれる特殊カードや、成敗人の特殊能力を用いて、悪人の横に置かれた「状況カード」を確認したり、除外したり、もしくは自分自身の能力(速さを示す「閃」、攻撃力を示す「撃」、体力を示す「命」)を上げることにより、悪人を倒す準備をする。

カードに書かれた「時間」の合計が10となったとき、遂に悪人と対峙する時を迎え、それぞれの手の内を明かして勝負をするのである。

 

ゲームとしては成敗人の誰が負けてもいけない、全員協力型のゲームとなっている。

とはいえ、知り得た情報をすべて開示し合ってしまっては面白くない。

微妙に情報を伝え合い、助力の要請や悪人の状況をそれとなく伝える。

ゲームバランスとしてかなり絶妙であり、行けそうなところでギリギリ負けてしまうことも多々ある。

実際今回は4回プレイし、やっと全員で悪人を成敗することができた。

 

今回は気のあった友人とわいわいやりながらできたためかなり盛り上がったが、反面初めて同士でプレイしてしまうと楽しさが半減するかもしれない。

 

カナイ製作所さんといえば「Love Letter」が有名だが、根源的なところは似通っている気がしている。

カードごとに異なる特殊効果、相手を倒せた時の爽快感、負けた時のさっぱりとした悔しさ、回を重ねるごとに異なる展開を見せる盤面。

うううむ、こういうゲームが作りたい…。